《秋田漢詩文》（上・下）は郷土資料蒐集保存家・真崎勇助が明治２５年（１８９２）１２月から大正５年（１９１６）７月まで二十余年の歳月をかけて編集した自筆稿本《秋田文苑》全６９巻（秋田県立図書館蔵）を基幹的底本とし、これに監修者が学生教育用に厳選蒐集した能代渟城家文芸資料《千鳥足》（県指定有形文化財）所収《野代賦》《褪之記》、秋田藩校明徳館教授陣《如斯亭記　学館命題文稿》九篇（秋田県公文書館蔵）、狩野徳蔵著《旭峰詩鈔初編（天・地・人）》（秋津出版社・明治２３年刊）等を増補した総計一万篇超から成っている。一言で示せば掬すべき日本文化の縮図がまさにここにある。